平成30年2月18日に第23回群馬県認知症疾患医療センター研修会が行われました。
平成30年2月18日に第23回群馬県認知症疾患医療センター研修会が行われました。活動報告では、西毛病院の髙木博敬先生が近年問題になっている認知症高齢者や軽度認知障害(MCI)の方々の自動車運転免許の自主返納について自験例を含めて説明して頂きました。次いで、群大病院認知症疾患医療センターの鈴木陽子さんから、当院での認知症診療の活動状況及び自動車運転免許の返納に関する事例も含めて活動報告をしてもらいました。 特別講演では、NPO法人 高齢者安全運転支援研究会事務局長の平塚雅之様から「高齢ドライバーの視点から考える運転と認知症~免許返納を考える~」という演題にてご講演を頂きました。高齢者自動車運転の危険性と生活維持の困難事例、免許返納の際しての様々な葛藤と問題点の説明がありました。自動車走行の環境を整えるための本人と周囲の努力、自動車運転時間を減らす工夫、ドライブレコーダーの機器を用いた記録による運転能力の客観的評価など、運転安全や免許返納に関する数々の情報を紹介してくださいました。「卒免は第二の人生」と言われ、免許返納後の生活設計の構築が重要ですが、本人のみならず、生活環境に関わる様々な協力もやはり必要であると強調されました。閉会の辞では、神経精神医学教授の福田正人先生から、多くの人たちが認知症高齢者の自動車運転について知識を深め、交通安全のために取り組むべき課題を解決していくことが大切であると締めくくられました。今回も多くの参加者にご来場頂き、活発な議論が交わされましたが、一般市民にも医療福祉関係者にも切実な問題であり、今後も様々な取り組みが必要であると再認識しました。