群馬大学医学部附属病院 認知症疾患医療センター

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令和4年3月17日、第29回群馬県認知症疾患医療センター研修会が行われました

令和4317日、第29回群馬県認知症疾患医療センター研修会がオンラインにて行われました。まず当センター副センター長牧岡幸樹医師より、「アルツハイマー型認知症の薬物治療の現状と今後の展望」について教育講演を行いました。認知症の原因疾患の中でも最も多い病型であるアルツハイマー型認知症(AD)の基礎知識、日頃の診療場面などを動画も交えて説明がありました。また、治療研究の現状を踏まえ、今後期待がもたれる新薬についての情報などをお伝えしました。アメリカで承認された、AD患者脳内に蓄積する病的蛋白であるAβに対する抗体製剤が日本でも使用できるようになるのか、その他にもAβをターゲットとした治療についても情報を提供しました。

また特別講演では高知大学医学部神経精神科学講座教授數井裕光先生より「BPSDに対する包括的治療」というタイトルでお話をいただきました。BPSDの治療について、内服薬による治療や非薬物療法など多岐にわたりご講演いただきました。認知症の診断時からBPSDの予防に取り組むこと、先を見据えた家族へのケア、心理教育を行っていくことが重要であることなど、大変わかりやすくお伝えいただきました。認知症の病型や進行度、ご本人の性格などを考慮して多岐にわたる工夫が必要であることが改めて理解できました。

また、數井先生が取り組まれている「ちえのわnet」について詳細をご説明いただきました。「ちえのわnet」とはインターネットを活用して、認知症の人に生じたBPSDの内容、対応法、その結果をセットで投稿し、その成功率を計算するシステムです。その利用方法などの詳細もお示しいただきましたが、認知症者を介護しているご家族等からしばしば問い合わせをいただくことが多い内容も含まれており、大変参考になりました。今後積極的に活用していきたいと思います。

BPSDBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia(認知症の行動心理症状)

研修会参加者の内訳

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