第4回群大病院認知症疾患医療センター研修会・合同症例検討会が行われました。
11月15日に第4回認知症疾患医療センター研修会・合同症例検討会を行いました。
老年病研究所附属病院・副院長の甘利雅邦先生が「血管性認知症の診断と治療」の講演をされました。
血管性認知症(VaD)のいくつかの診断基準を紹介され、そのなかでもNINDS-AIRENの診断基準を詳しく説明されました。
最近の研究から、認知症の原因としてVaD単独よりも血管障害を伴うアルツハイマー型認知症(AD with CVD)が実際には多い報告がみられるを指摘されました。
また、治療に関しては脳卒中のリスクファクターの管理が非常に重要であり、そのことにより脳卒中の一次予防や認知症発症の予防につながる可能性があることを強調されました。
症例検討会では、現在、前橋日赤病院神経内科に勤務している平柳公利先生が「急性脳症を呈し、特異な画像所見を示し遷延性意識障害を認めた53歳男性」について報告されました。
頭痛と視野異常から始まり、片麻痺、痙攣、意識障害の症状が悪化し、一旦はステロイド治療が奏功したものの、その後に、これらの症状が再燃し、遷延性意識障害が現在まで続いています。
脳生検では、大脳皮質に多数のびまん性老人斑と脳血管壁にアミロイドが沈着するアミロイド・アンギオパチーを認めました。
今回は血管障害がテーマということもあり、脳外科の先生も参加されました。
認知症疾患・症状に血管障害の因子が多く存在するものと感じました。