群馬大学医学部附属病院 認知症疾患医療センター

tel:027-220-8047 これまでの活動記録

認知症疾患医療センター全国研修会(熊本)に出席しました。

DSC_00992 平成25年12月21日、熊本県庁にて認知症疾患医療センター全国研修会が行われました。
熊本大学大学院生命科学研究科精神神経科の池田 学教授から開会のご挨拶がありました。
午前中のセッションでは池田教授から「認知症の医療連携と人材育成」の説明がありました。
熊本県は65歳以上の独居高齢者数の割合が高く、今後、認知症患者数も増加されるものと予想されています。
熊本大学病院は認知症疾患センターの基幹型病院として、精神科医師を地域拠点型病院に派遣し、地域ネットワークを構築するシステムをとっているそうです。

また地域拠点型病院では、かかりつけ医や認知症サポート医との連携を図り、基幹型病院との連携を密にとることで情報交換がなされているそうです。
患者の臨床情報については「火の国あんしん受診手帳」という縦断型連携クリニカルパスを作成し、患者と医師のコミュニュケーションを図っているそうです。
次いで、熊本県内の認知症疾患医療センター地域拠点型病院・荒尾こころのクリニックの活動報告がありました。
沖縄県の城間クリニックの城間清剛先生から、沖縄県浦添市での認知症診療ついての報告がありました。

午後のセッションでは、北海道砂川市立病院精神科の内海久美子先生から「地域連携・人材育成 当地での活動」の発表があり、グループホーム入所者の情報ネットともいうべき「ぽっけ」という新しい発想の組織を作り、日常の情報交流を図るなかで、診療を進めていくという画期的な活動されている報告をされていました。
東京都・荏原病院の田久保秀樹先生から「都市型認知症の現状と課題」についての報告がありました。
都市部の総合病院のなかで認知症疾患医療センターを行う難しさをご説明されました。
田久保先生は神経内科のご所属ですが、同院の精神科医師たちと連携をとりながら、医療を進められているそうです。
近隣に精神科病院がなく、郊外の病院とも連携され認知症診療を進められておられるとのことでした。

 グループ討論会では、テーブルごとに分かれ(私は群馬・栃木・茨城の認知層疾患医療センターの医師、スタッフと同席)、テーマごと(医療連携、地域連携)に関して討議しました。

全国の認知症疾患医療センターの関係者がこのように一堂に集まることは初めてであり、グループ討論では、隣接他県の交流を深める意味でも大変有効でした。認知症診療を進めるうえで、他地域の皆さんも同様の悩みや不安を抱えていることがわかりました。
診療を進めるうえで、他職種の組織間の交流や情報の共有化が重要であり、そのなかで問題を提起して解決していくことは、どの地域においても重要であることが認識できました。
多職種による「顔の見える認知症診療」を行うことが大切ですが、そのためには何事にも、日頃から連絡を取り合うことが必要であると実感しました。
今回の会に出席して、われわれの活動もさらに進めて行く重要性を再認識しました。

池田将樹記

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