群馬大学医学部附属病院 認知症疾患医療センター

tel:027-220-8047 これまでの活動記録
  ごあいさつ
センター長 池田 佳生

 わが国では2013年現在、65歳以上の高齢者人口(3,186万人)が総人口に占める割合、つまり高齢化率は25.0%へ達し、世界でも類を見ない高いレベルの超高齢社会を迎えています。これに伴い認知症の患者数も近年急増しており、2012年の推計値で全国の462万人(65歳以上の高齢者の15%)が認知症と考えられています(厚生労働省研究班報告)。また認知症の約半数はアルツハイマー型認知症であると考えられており、認知症の予備軍で、正常と認知症の中間状態であるMCI(軽度認知障害)の高齢者も約400万人いると推計され、認知症を取り巻く社会整備や認知症に対する早期診断法や有効な治療法開発へ向けた取り組みが急務とされています。

 2008年厚生労働省は、認知症の早期発見、診療体制の充実、医療と福祉の連携強化、専門医療相談の充実を図ることを目的として全国で150施設の整備を目指した「認知症疾患医療センター運営事業実施要綱」を定め、2016年群馬県においては群馬大学医学部附属病院を含む13施設がセンターの指定を受け活動しています。認知症疾患医療センターの役割としては各地域において1)認知症疾患に関する専門医療相談、2)認知症疾患の鑑別診断・初期対応、3)認知症疾患の合併症・周辺症状(BPSD)への急性期対応などを担当していますが、群馬大学医学部附属病院における認知症疾患医療センターは中核型センターと位置づけられ、上記の地域拠点型センターの役割に加えて1)地域拠点型センターとの連携と支援、2)鑑別診断に重点を置いた認知症診療、3)群馬県内における認知症の啓発活動、研修会や講演会の開催などの業務も担当しています。

 群馬大学医学部附属病院認知症疾患医療センターでは高度の専門医療を担う大学病院の責務として、アルツハイマー型認知症や他の原因による認知症の早期診断と鑑別診断を行っており、認知機能を調べる神経心理学的検査、認知症の原因となる内分泌異常などを調べる血液検査、頭部CTやMRIといった形態画像検査、脳血流SPECTやMIBG心筋シンチグラフィーなどの核医学検査を日常診療に取り入れて、より精度の高い鑑別診断を心掛けて診療しています。またアルツハイマー型認知症の早期診断と鑑別診断に有用な新たな脳画像検査や血液や脳脊髄液を用いた診断マーカーの研究も行っています。

 近年アルツハイマー型認知症に対する治療薬は選択肢が増え、認知症の進行度や各患者さんの状況に応じた薬物療法を行っており、より認知症が進行した際に認められる人格変化、幻覚、妄想、攻撃的行動、徘徊などの対応困難ないわゆる周辺症状(BPSD)に対しても、センター担当医師、かかりつけ医師、地域包括支援センターやケアマネージャーと連携しながら診療し対処方法を検討しています。このように診断、治療、介護という認知症診療の流れを明確化し、関連部署と機能的な連携を推進することが認知症疾患医療センターの重要な役割と考えます。このような活動をとおして、群馬県における更なる認知症診療の向上に寄与するよう群馬大学医学部附属病院認知症疾患医療センタースタッフの力を結集して活動しています。

群馬大学医学部附属病院認知症疾患医療センター長 池田 佳生

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