群馬大学医学部附属病院 認知症疾患医療センター

tel:027-220-8047 これまでの活動記録

第12回群大病院認知症疾患医療センター研修会・合同症例検討会が行われました。

2012年9月18日(火)群大病院認知症疾患医療センター研修会・第12回認知症疾患合同症例検討会が行われました。 
今回は前橋市介護高齢課地域包括支援センター中央の保健師・齋藤倫恵子さん、中島敦子さんに「前橋市地域包括支援センターの活動状況について」という演題で講演して頂きました。地域包括支援センターの包括支援業務として、次のような説明がありました。 
①介護予防マネジメント:介護が必要な状態にならないように、介護予防のケアプランの作成や介護予防事業等の紹介を行う。 
②総合相談:介護保険だけでなく、様々な制度や地域資源等との連携による横断的な支援を行う。
③権利擁護、虐待の早期発見・防止:高齢者の人権や財産を守るために必要な援助や虐待の早期発見・防止に努める。※虐待の多くは家庭や施設などの密室で発生することが多く、虐待が疑われるサインに気付いたら、ためらわずに相談・通報してもらい、その内容を受け、対応する。
④包括的継続マネジメント支援業務(介護支援専門員=ケアマネジャー)支援:包括的・継続的に様々な支援が提供されるように地域のケアマネジャーの後方支援を行う。
また、指定介護予防支援事業として要支援1または要支援2認定者の介護者ケアマネジメントを行っているそうです。 
 スタッフとして、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員がおり、内容により対応されているそうです。
前橋市直営センター以外に10か所あり、それぞれの地区において活動されているとのことでした。
定期的に地域包括支援センター連絡会議と専門部会(ネットワーク部会、ケマネ支援部会、認知症予防部会)が活発な活動を行っていることが紹介されました。
広報活動として「まえばしcity FM」で定期的に情報発信されています。 
 各地域の地域包括支援センターが連携しながら、高齢者が住み慣れた地域で、その人らしい生活を送ることができるように、高齢者の生活を支えるための総合相談等を行う窓口として活動されているとのことでした。
今回の講演では、認知症診療において大変お世話になっているにも関わらず、十分理解していなかった地域包括支援センターの皆さんの活動が分かり、大変勉強になりました。

 症例検討会では当院精神神経科の笠木先生がDLBの症例提示をされました。 
症例は76歳男性。平成24年より急激な活動低下、易怒性、幻視などがみられ、診断・治療のため入院。MRI、脳血流SPECT、MIBG心筋シンチを施行し、特発性parkinsonism、認知機能の変動も認めたためレビー小体型認知症と診断されました。
入院当初は、興奮、幻覚、せん妄など認知症にともなう行動および精神症状:BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)が強く認められました。
抑肝散、ドネペジル、メマンチンの内服によりBPSDは落ち着き、穏やかに過ごすことが可能となりました。
研修会ではSPECT所見の検討、parkinsonismの治療についての議論を行いました。

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